先月、メジャーリーグエンゼルスへの移籍が決まった大谷翔平選手をとテレビで特集していた。ピッチャーで4番打者!165kmの球速!!前人未到の足跡を日本球界に残しての渡米である。
本家本元は宮本武蔵だけれど、その後武蔵の二刀流を継ぐ者は、また武蔵に匹敵する武道家は現れなかった。司馬遼太郎的には、普通の体力で二本の刀を振るうことは無理!というフィジカル面もあるだろう。ただ武蔵が前人未到の近付き難い境地に達していたことだけは確かなことだ。野球でも大谷翔平だからこそ為し得た気がするし、今後同じように投打二刀流にチャレンジする選手が現れても、今回大谷翔平が切り拓いた地平があってこそだと思う。
全然ジャンルも実績も違うけれど、私も二刀流だったし、今も二刀流かもしれない。教員と合唱指揮を並行してこなしていた時代、合唱と薩摩琵琶を並行して学んでいる今とか、仕事も現在二ヶ所に勤めている訳で・・。
二刀流になると、それぞれに割く時間が半分になってしまう。あるいは人生を二倍美味しく楽しめる。自分の場合は、そんな気はしない。もっとバランスに近い感覚。やじろべえが尖端の上でフラフラしながらも、落ちないでいられるような感覚がある。
そんな危なっかしい思いをするくらいならちゃんと地上に降りて、地に足を付けて一つの事に専心すればいいと思うのが、常識的な判断だと思う。しかし、地に足を付けてしまうと明らかに何かが停滞し、宙に浮いていた不安定な自分に憧れてしまうのだ。全く困ったものだ。