自分の話に戻る。まだ大学生の頃、私が指揮をした演奏会の打ち上げである先輩から「プロにならないの?」と聞かれたことがある。当時は、教員の他、出版社にも興味があり、曖昧な答えしかできなかった記憶が微かにある。指揮を教えてくださった恩師のように合唱指揮で食べていける自信は、もちろんなかった。
でも、その数年後自分で戸塚混声合唱団という合唱団を立ち上げた時に、そうだった!自分も指揮をしてきたじゃないか!と思い、何と図々しくも自分で指揮者になってしまった。これが自分の二刀流(教員+合唱指揮)の始まり。これが15年くらい続いた。
それからさらに15年くらい経って、正規職員を退職。時間に隙間できると、必ず何かが入り込んでくる。受験勉強から解放された大学入学時、男声合唱に出会ったように。退職の時は、琵琶だった。素晴らしい師匠と出会い、今に至る。ゼロスタートから学習を始めるメリットは、乾ききった砂に水が染み込むように、何もなくまっさらなことだ。自分を苗床にと例えると全く新しい品種にチャレンジしているわけだ。
植物に一年草、多年草、樹木があるように、自分の時間も限られている。それなら、限られた能力と時間の中で、二刀流だって、一刀流だって、人それぞれが納得していればそれでいいでしょう。
さて、メジャーリーグエンゼルスの大谷翔平選手は、どんな活躍を見せてくれるでしょうか?