オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

権力や富に背を向けて

先日、キューバ日本語教育を推進している先輩を応援する会が開かれた。先輩の話すところによれば、キューバでは、医者やエンジニアより、タクシー運転手や観光ガイドの方が、はるかに高収入なのだと言う。日本では俄かに信じ難い話に、一同面食らっていたが、私はひとたび富の蓄積を人生の目標としなければ、またそういう社会において、そのような教育を受けていれば、あり得る話なのだと思って聞いていた。
日本でも、努力が報酬で報われていない仕事はある。私が永年生業としてきた教員だって、大企業の役員を上回る収入を得ることは不可能だ。夫婦共に教員であれば、二倍となり結構な収入が得られるけれど、私のようにある時期まで一馬力で頑張ってきた者は、正直決して裕福とは言い難い。
教員などは公務員なので、身分が保証されている分まだマシなのだろう。もっと不安定な収入で、仕事の量や質に報酬が対応していない人は、国内でも山ほどいるだろう。キューバ然りである。

「富こそが幸福な生活を得る必要条件である」という命題から、もっとずっと自由になっていい。幸福な生活を得る必要十分条件は、むしろ自己実現なはずだ。