オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

贈り物という経済のあり方 3

縄文土器に戻ろう。例えば代表的な火炎式土器。凄まじい造形である。決して整えられることがない情念の産物。だから私は国宝に指定されている土器の美しさよりも、ところどころ不規則な形が貼り付いている土器に惹かれてしまう。
土器というのは、読んで字の如し、土を焼いて作った器のことだけれど、火炎式土器を実際に用いたとは思いがたい。飾り物として置いておくか?何か極めて特殊な物を入れておいたか?
贈り物経済だから、商品としての需要は皆無でもいい。出来栄えに自分で納得できているか?が先行する。その結果贈り物にさえならずに自分の住居の奥に置かれていたままだったかもしれない。でも美術品とは、もともとそういうものから発したようにも思う。