オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

異次元の世界、その魅力と魔力

プロレス編1 スープレックスの使い手たち

アニメ「タイガーマスク」の主人公は、虎の穴で育てられたレスラーである。プロレスファンならご存知、現実世界には蛇の穴と称されたジムが存在し、カール・ゴッチを始めとして、とても強いレスラーを数多く輩出した。
ビル・ロビンソンも蛇の穴出身である。来日する多くのレスラーが悪役(ヒール)であったのに対し、何と善玉として活躍した。そして日本のレスリングファンは彼の繰り出すスープレックスに驚き、人間風車と呼んだのだ。暗黙の超えてはいけないルールが張り巡らされている中で、レスラーは自分の強さをアピールしなければならない。
国際プロレスで活躍していたビル・ロビンソンは、強さのアピールに成功したレスラーの一人である。片目の視力に課題があり、ボクサーへの道を断念したというが、そんな気配を、全く感じさせないレスラーだった。
しばらくすると、日本のプロレスファンの目が肥えてきて、スープレックスが決め技としての魅力を失いかけてくる。その時、現れたのが見たこともない秒殺のスープレックス、ローラン・ボックである。アントニオ猪木が敗戦を喫したのも宜なるかな、本気になることをガチンコ・セメント・シュートと呼ぶが、ローラン・ボックのスープレックスは、本気の雰囲気満々だった。低い、速い、防げないことがよくわかる、プロレスではやってはいけない相手が怪我する技を繰り出すのだ。原則ショープロレスのアメリカではダメだが、日本のプロレスファンは、本気になる瞬間、沸点に達した技が大好きなので、ローラン・ボックが未だに最強レスラーとして、語り継がれているのでしょう。