オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

兵農分離の歴史 〜私たちは武器を持たない〜3

国家による兵の徴用の歴史は古い。律令制度の元で、九州の防衛にあたった防人が、日本の古代の徴兵制である。この制度は、かなり酷いもので、租庸調同様の義務だった他、全て自弁だったようで、特に一人で帰らされた帰路は、故郷に到着できず死んでしまう者も多かったという。平安時代以降になると、武士が団結して戦い始め、大変だったろうが、なんとか元寇をしのぐことができた。

さて時代は飛んで、江戸時代幕末。巨大な幕府勢力に対抗するために、一般庶民を訓練して、軍隊を編成した人がいる。奇兵隊を作った高杉晋作である。晋作が徴兵制度についてどこまで学んでいたか?わからないが、大日本帝国軍の萌芽を感じる。

日清日露戦争を経て太平洋戦争に至るまで、多くの国民が兵隊として徴兵され、命を落とした。個人の意思とは関係なく、国のために武器を持たされたのだ。一般市民から徴兵せずに、人数勝負の軍隊を組織することが困難だったのだろう。

しかし、その後戦力の定義や戦闘の形態が大きく変わっていく。世界最強を自認するアメリカ軍が何故ベトナムで負け、アフガニスタン・イラン他中東諸国で、彼らの思い通りにならないのか?戦力とは、単に兵隊の数や強力な破壊兵器の台数ではないのだ。平和とは人々が理解納得した上に始めて成立できるものなはずなのだ。

 

現在日本には自衛のための軍隊として、自衛隊が活動している。徴兵制度はない。私は国防予算がコントロールされていれば、それでいいのだと思う。私たちは減速銃を始めとした武器を持たない。だから平和が治安が保たれている。武器を持たない積極的な決意が今後も揺らぐことがあってはならないと思う。