名作を読む2
私たちは、青い鳥を見つけたのか?
メーテルリンクの童話劇は、深いテーマを語りかけている。幸せを求めて、いったい私たちはどこを彷徨い歩いているのだろう。
チルチルとミチルの場合、思い出の国で見つけた青い鳥は黒くなり、夜の宮殿で見つけた鳥は死んでしまい、森ではつかまらず、未来の国はピンク色に変わってしまう、
二人が夢から覚めると、チルチルが飼っていた鳥が青くなり、その鳥が病気の子を治すことになる。しかし、餌を食べさせようとした時に隙間から逃げていってしまう。
「心配しなくていいよ。泣かないで。ぼく、きっと、またつかまえるから」このチルチルの言葉がすべてを言い当てている気がする。私たちは幸せをつかまえに、彷徨い歩いているチルチルとミチルそのものなのだ。しかも、それはほんの一瞬、手元にいても、またすぐに逃げられてしまう。
不安に怯え、恐れをいだきながらも、幸せの意味価値を問い続けていく。それは子どもも大人もまったく同じことなのだ。