名作を読む10
ポーター作「少女パレアナ」 を読む
なんでも喜ぶゲーム。パレアナがお父さんから教わった遊びが、どれだけ今の世界中の人々にとって必要なのだろう!
辛いこと、悲しいことを、喜ばしいことにリフレーミングする遊び。それは外出自粛で家に閉じこもり、鬱々している人々にとって、それはきっと、どんなオンラインゲームよりも必要なはずだ。
物語の中でも自分の殻に閉じこもっていた登場人物が、次々に心を開いていく。病床のスノーおばさん、パレアナに義務を強いるパレーおばさん、少年ジミー、ベンデルトンさん、ドクターチルトン…主人公パレアナは、交通事故で下半身が動かなくなるけれど、恩返しとばかりにパレアナに救われた人々が、今度はパレアナを助けるべく動き始める。そして、パレアナが少しずつ歩き始められるようになったところで、話が終わる。
なんでも喜ぶゲームは、この世で起きる絶望や大失敗を、つまり心が真っ黒に染まった瞬間を、塗り替えるマジックなのかもしれない。