あくびの思い出
あくびで思い出されるのは、大学のグリークラブで先輩から初めて発声について教わった時のことです。
合唱の経験はなかったので、とにかく神妙に聞いていたのだが、喉仏を下げて、あくびの要領で歌うのだという。
喉仏を下げる?何だかわからないし、うまくいかない。あくびなら得意?だが、ぼーっとした声が出るだけなので、これで歌えるのか?これまたよくわからなかった。
今にして思えば、先輩方が獲得したスキルを総動員して、へんな声の新入部員=私を教育しようとしていたのだと思う。
喉仏を下げるのは、気にしないでいいとおっしゃる先生も居られるが、私は音域を広げたい人に有効な場合があると思う。結局は人それぞれだろうけれど。
あくびは、のどを広げる効果があるだろうが、同時に声帯が緩み過ぎてしまう現象と表裏一体だ。
いずれにしても、45年前何だかへんな声で、そのうちやめるだろうと思われていた新入部員が、しぶとくまだ合唱を続けているのだから、上手い下手は、さて置いて、継続しているのは、我ながら大したものである。