オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび38

名作を読む15

サバチニ作「スカラムーシュ」を読む

この物語の時代背景は、フランス革命である。あの革命が始まった頃、革命が収束した時の国の姿を夢に描いていた人が何人いただろうか?世界史をおさらいしてみれば、とんでもない変化が次から次へと起きていたことがわかるだろう。歴史の歯車は恐ろしい速さで回る時があり、フランス革命は代表的な史実なのだ。

日本に例えれば、明治維新を一応革命的な出来事とすれば、革命軍の親玉であった西郷さんは、明治維新の結果、武士階級がいなくなることを予想できていただろうか?あまりに急な歴史の変化は、その後革命軍であった者同士が戦う西南戦争を招いてしまう。

もう一つ、スカラムーシュは父子が知らずに対決する物語となっており、スターウォーズを連想させる。貴族側の父親ダジル侯爵、人民軍側の息子アンドレ。対決の構図も似ている。主人公アンドレが、ドサ周りの劇団に身を投じ、スカラムーシュ役を演じたことが、タイトルに通じているが、その生き方も実にスカラムーシュ的である。やがて剣術指南としてパリで暮らすようになり、その後国会議員になる。波乱万丈のドラマなのだ。

革命で理想的な社会を実現するという動きは、あまり表沙汰にならない。そもそも社会の急激なり変化よりは、ほどほどに安定した生活の中で多少の不満はこらえているのかもしれない。

でも、そんな今だって、いつスカラムーシュが現れて、歴史を変えてしまうか?は、わからないのであります。

 


↓おまけの動画 レミゼラブル 民衆の歌

 


https://youtu.be/0Eax4cw6QFA