オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび53

名作を読む25

ハート短編集を読む①

・鉱山町の天使

いざという時に、男ばかりではどうしようもないことってある。さらに男たちは、アメリカ西部に差金目当てでやって来た荒くれ者ばかりなのだ。その鉱山町に赤ちゃんが生まれる。母親は亡くなってしまうが、この前荒くれ者たちは、何とか自分たちの手で、町にたった一人だけの赤ちゃんを育てようとする。亡くなった母親がただ一人の女性だったので、あとはみんなから男ばかりだ。

赤ちゃんは、ラックちゃんと名付けられて、ささくれだった野郎どもの気持ちをやさしく変えていく。砂金も取れ始めて、町に平和と幸せ何訪れたと思ったのも束の間、街は濁流にのまれてしまい、赤ちゃんを世話をしていた男たちも死んでしまうのだ。

あっけない幕切れではあるけれど、男たちがわずかな間でも、優しさを取り戻したことがこの物語の救いかな。日本の話ではないけど、少々無常感が漂う短編だった。