オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび56

名作を読む28

故事成語

沈 既済作「枕中記」盧生邯鄲の夢

時は玄宗皇帝の頃、盧生は主人公の若者。邯鄲は街の名前。そこで仙人に会い、田畑を耕す貧しい生活を愚痴る。仙人が取り出した青磁の枕で寝ると、立身出世し大臣となり、波乱万丈の一生を夢で見る。

目が覚めた盧生は、人の一生は瞬く間に過ぎ去るはかないものだとわかったことを仙人に告げる。

 


李 公佐作「南柯太守伝」南柯の夢

また夢の話。今度は主人公のフンは泥酔している。そして仙人ではなく使者に導かれて木の穴に入っていく。太守を命じられるなど様々なドラマがあるのだが、王に勧められたことがきっかけとなり、元の世界に戻る=目が覚める。木の穴を調べるとそっくりのアリの世界がそこに!そしてそれらが夢の場所や登場人物と対応していたのだ。

 


李 復言作「続玄怪録」月下氷人

身寄りがなく結婚したいが、話がまとまらない固という人が主人公。ある日の夜明け前、寺の門の前で、結婚を司るあの世の役人と会う。そうするとお嫁さんは現在未だ三つだと言う。驚いた固はその娘を探して殺そうと企てるが、眉間を刺して未遂に終わる。この辺りは昔話とは言え、酷い。

それから14年官吏になった固は、上役の娘をお嫁さんに迎えることになる。実はこの娘が眉間を刺した娘だったのだ。固は許しを乞い、二人は仲良く暮らしたというスジなのだが、運命は変えられないという話なのだろうけど、なんとも後味が悪い。

ちなみにタイトルは、あの世の役人を指している。