オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび59

名作を読む31

瞿佑作「剪燈新話」を読む。

中国が明の時代の話。三山の仙境、申陽のどうくつ、天国の裁判官になった男の話、以上が収録されていた。共通しているのは、主人公が怠け者であったり、乱暴者であったり、まぁ少し困った男ということ。

その主人公が仙人に出会ったり、怪物や鬼柳に遭遇したりして、大変な目に遭うのだが、最後はそれなりに幸せになったり、天国での仕事!=裁判官が見つかったりする。

もう一つ、一貫しているのは、借りた金を返さない、娘を誘拐する、鬼の悪業などは、当然報いを受けて、駆逐されてしまう。

物語は、読者が登場人物にどのくらい感情移入しても読み進められるか?が、とても大切なポイントだけど、短い話ながら、展開はワクワクドキドキの連続で三話とも見事に成功している。

作者が生きていた時代は、西洋で言えばシェイクスピアが活躍していた時代だけど、この話が東洋の人々に広く読まれた理由はよくわかる。