オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび66

名作を読む36

モーパッサン短編より「シモンのパパ」

シモンはいじめられている転校生。だいたい転校生というのは、子どもたちの興味と対象になりやすいのだが、シモンをいじめている訳が実によくない。お父さんがいないことをからかっているのだ。

追い詰められたシモンは、川に身投げしようとするが、鍛冶屋のフィリップに助けられる。やがてフィリップがシモンの本当のお父さんになるという話。

モーパッサンの時代は、これで通ったのだろうけれど、今の子どもたちや大人は、複雑な思いでこの物語を読むかもしれない。そもそも親が一人、またはいないのは、様々な理由があってのことで、それは子どものせいではないからだ。もちろんいじめの理由になるなどとんでもない。また両親が揃っていて当然のような物語の背景にも唸ってしまうだろう。

しかも、大人が周りにいながら、子どもを虐待する事件が、たびたび報道される。児童相談所で抱えている事案は大変な数になると思われる。躾の一環として子どもに手を挙げるのは、自分の世代でやめませんか?なぜなら殴られた経験がある子は、次の世代へ連鎖させてしまうのです。子どもの育て方が、ますます困難になってきていることは、私にもわかります。子どもの心身の成長はどんどん多様化しているからです。そんなことで時代だからこそ、子どもにどう関わるべきか。情報共有が大切だと感じています。