オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび71

名作を読む38

ドーデ作「風車小屋だより」 を読む1

・コルニーユじいさんの秘密

時代の流れには逆らえない。日本のSLは観光用に日を限定して動いているけど、例えば算盤を使う人は減ってしまったし、和文タイプと言う機械があって、それが打てるだけで仕事になった時代があった。

コルニーユじいさんの風車小屋も似たような境遇で、蒸気機関の製粉工場ができて仕事がなくなってしまった。でも不思議なことに風車は回っている。じいさんはとても偏屈なので、訳は誰にもわからない。

そんな時じいさんの孫娘が結婚相手の青年といっしょに風車小屋の秘密を見てしまう。麦は一粒たりともなかったのだ。つまりじいさんは仕事があるように見せかけていたのだ。

このあと村人たちの心意気が実にいい。じいさんの風車小屋に小麦を持って行くようになるのだ。じいさんが亡くなり、風車はもう一つも動かなくなってしまった。けれど風車を回し続けたじいさんと村人たちの交流は記憶に残ったのだ。