名作を読む46
リラダン短編を読む1
・にせかみなり
コアラが好きで、動物園に行くと結構コアラ舎の前でのんびりしている。あれだけ眠っているだけの生き物なのに、何と人気者なのだろう！ナマケモノものんびりしてほとんど動かないが人気ではコアラに敵わない。
ところで、あのコアラが食べているユーカリの話、これまた気づかなかったのだけど、オーストラリアではなく大変な巨木になるらしい。この物語では何と100mと言っているくらいである。そのユーカリにオウムが住んでおり、雷の音の真似をして、ほかの動物たちを怖がらせて喜んでいた。この驚かせることがたのしいと言うところがタチが悪い。そのうち大ワシがやってきて、どこかへ行ってしまうと、今度はワシの真似を始めるが、これには他の動物たちは驚かない。ライオンの真似も試みるがやはり怖がらないので、元通り雷の真似に戻る。とうとう神さまが怒って、ユーカリの木に雷を落とし、オウム達は死んでしまったと言う寓話であります。
思えば、今のところ世はバーチャルな音に満ち溢れている。いや音に限らず目に映るものも仮想現実ばかりだ。人々は大概の場合、それを喜んでいるのだけど、どこかこのオウムの話に似ている気がする。
