オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび92

名作を読む53

ジェローム作「ボートの三人男」を読む。

イギリス紳士を気取りたい青年三人衆の抱腹絶倒ボート旅行物語。テムズ川を遡るのだが、自力で漕いで行くのだ。かと言って冒険物語ではなく、日本で言えば弥次喜多道中のような滑稽話である。

冗談やいたずらか大好きで、そのくせ見栄っ張りの結構面倒くさいイギリス紳士。その可笑しさが伝わってきて、思わずニンマリしてしまう。

この三人は同じ下宿の仲良しなのだが、気の置けない仲間である。喧嘩はしょっちゅうだし、互いに迷惑ばかりかけているけど、それでも不思議な友情で繋がっているのだ。

男女グループやカップルでは、こうはいかない。この間抜けぶりでは、まず女性に愛想を尽かされるのは間違いない。けれど底抜けに羽目を外し、アホなことをやらかせるのが、一周の特権?なのだ。若い頃から何を間違ってしまったのか。男だけの合唱団に入ってしまい、現在も男声合唱団に身を置いているが、このボート三人組の楽しさに、とても共感できるのだ。