名作を読む54
ドイル作「失われた世界」を読む。
アメリカがスペースシャトルの打ち上げを止めてから、もっぱら人間を載せた宇宙行きのロケットは、ロシアから打ち上げられていた。しかし、6月に民間会社が打ち上げたロケットが国際宇宙ステーションとドッキングし、さらにアメリカではアルテミス計画とやらでまた月に行くらしい。人類にとって未知の世界である宇宙や深海への憧れは、これからも尽きることはないだろう。私たちは知らない世界を一目でいいから見てみたいのだ、
ところでドイルと言えば、シャーロック=ホームズの作者なわけですし、未だに超有名でドイルにあやかって、日本では江戸川コナンくんが大活躍中です。元々は眼科医だったのが、あんまり患者が来ないので作家に転身。始めに歴史小説が売れます。そしてシャーロック=ホームズ。
この推理小説の探偵ホームズとは、対照的にドイルのSF小説に出てくるのが、チャレンジャー教授。本作でもインチキ学者、ほらふきの汚名を注ぐ、またはウソか誠かを実証するために冒険が始まるのだ。モデルはどうやらドイルの母校エディンバラ大学の教授らしい。それにしてもとても濃いキャラで、近づくのは気が引けるけど、尊敬には十分値する人物なのだ。専門分野が違うけど、インディー=ジョーンズにも似た雰囲気も感じる。
物語は、ドイルの筋立ての巧みさは、折り紙付きなので、一気に読ませる。もちろん恐竜は出てくるが、最後の場面で猿人と土人(原文通り 我々の直接のご先祖様))が闘う場面が象徴的で、人類がいかにして生存競争を勝ち上がってきたのか?をこの場面に凝縮かのようであります。