オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび94

名作を読む55

ラブレー作「ガルガンチュア物語」 

大男、巨人伝説。日本なら「だいだらぼっち」とか「八郎」などの話が残るが、ガルガンチュアはフランスの大男の話。

特徴は、大きく二つあって、まずはお下劣な糞尿ネタのオンパレードということ。主人公ガルガンチュアの幼年期はもとより、愛馬タルモンデーも、ひたすら垂れ流す。タルモンデーが垂れ流した排泄物で命を落とした敵兵は、さぞかし無念であったろう。

もう一つは、学者など権威を振りかざす人物を、徹底的にコケにしていることで、ラブレーが勢いこんで書いているエネルギーは、その辺りが源泉であろう。世はまだルネサンス期であり、科学が理路整然と確立していない時代だから、本書でも宗教的な権威や古典の教養をひけらかすがごとき場面が現れる。

ところでガルガンチュアとは、もともと中世フランスに伝わる伝説の巨人の名前で、ラブレーがそのキャラを借りて、大袈裟な物語を創作したわけですね。

さて物語の後半は、小麦せんべいと葡萄の取り引きを巡って、起きたトラブルが隣国との戦争に発展するしまう話。最終盤でガルガンチュアが、捕虜に示す寛容な徳が溢れる訓話は、今の世のどこかの政治家に聞かせてやりたい。またもう一人の主人公と言ってもいい修道士ジャン(ほとんど戦闘員なのだが)が、建設する新たな修道院のおよそ修道院のイメージを180度変え、何と素敵なことか!

時は中世。場所はフランス。端々におとぎ話的な楽しさを漂わせる物語でした。