オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび95

名作を読む56

ラスキン作「黄金の川の王さま」

面の皮が突っ張った強欲この上ない兄二人と、正直で誠実な弟グルックの物語。兄二人は黄金を自分のものにしようと企み、宝の谷へ行くが、結局黒い石に変えられてしまう。弟グルックだけが黄金の川の王さまの言いつけ通り聖水を川に流すことができた。川は黄金に変わったわけではないが、谷が元の平和な場所に戻ったというお話。

作者紹介で書いたようにラスキンは、社会主義者で当時のイギリスの拝金主義、我利我利亡者だらけの風潮を苦々しく感じていたことが、この作品に投影されている。