オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび103

名作を読む60

ファンチュリ作「銀の島」を読む。

海を舞台にした冒険物語。現在でも漫画ワンピースが続いているし、いわゆる名作文学だって宝島を始めとして枚挙にいとまがない。

もう一つ海洋冒険物にもれなくセットになっているのが、お宝一つのありかだ。この物語はタイトルがすでに銀の島で、主人公はすでに銀鉱を掘り当てた金持ちという設定になっている。これまた海にこそお宝が眠っているのだ!志向は、現在に通じていて日本の南の方の深海にレアメタルの鉱脈が豊富にあるとか、例の尖閣諸島を巡る問題も地下資源絡みだ。

この物語は、主人公が最初から金持ちなので、冒険は海賊を探し出して、巨大な軍艦から守るという設定になっている。海賊というのは、もともとの土地を追われた先住民たちで、軍艦側は先住民を追い出した国の軍隊である。

最後に火山の爆発で急展開するが、海賊側が長年の恨みを水に流して、分け隔てなく人々を助ける。そして支配権を再び取り戻し、めでたしめでたし。少し話が出来過ぎだけど、シンプルなカタルシスで幕切れとなるのも、南欧の物語のよさだと感じる。