オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび113

名作を読む67

ロンドン作「白いきば」を読む。 

ざっくりまとめてしまうと、野生のオオカミが人間に飼い慣らされてしまう物語。

けれども、そこにはアラスカでの生活経験が、作者ならではの、その地で野生動物に対した経験が背景に流れている。なぜアラスカに行ったのか?と言えば、そこは金でひともうけしようと言う、ありがちな金銭欲からだったようです。その反面、彼は社会主義者なので矛盾していますね。日露戦争で特派員として日本にも来てますが、トラブルから軍事裁判にかけられて禁固刑になっています。

そんなロンドンだったからこそ、この先物語に登場する人々、愛情のないインディアン、白いきばを見せ物にしたスミス、そして最後に飼い主となりカリフォルニアに連れて行くスコットなどのキャラクターを描き出すことができたのかもしれません。ひょっとすると彼の身近にモデルがいたのかも?

オオカミは、もちろん人にとってとても危険な動物であるけど、それだけに人間がとっくの昔に捨て去ってしまった自然の中でたくましく生き抜く力も秘めている。私は白いきばが子どものオオカミだった頃の、強さを身につけていく成長過程に他の動物記に勝るとも劣らない書き振りを感じました、