オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび114

名作を読む68

ロンドン作「荒野の呼び声」 を読む

ゆるゆる、のうのう、ぬくぬくとカリフォルニアの屋敷で飼われていた大型犬パックが、アラスカの大地でそりを引く犬になり、やがてソーントンもいう主人に飼われて、初めて人間の愛を知る。

物語の最終盤では、森林を駆け回り、オオカミに友ができ、ほとんど野生に帰る。

バックが野生の感性を取り戻した時の記述がいい。感じる、判断する、行動する、その三つの働きの間が、ひどく短いので同時にするように思われるのだ。

私は音楽が好きなのだけど、すべてのプレーヤーに必要な感性、ここにあり。表現者が感じたことがその場ですぐに音に変わるからこそ、音楽は、面白いし飽きないのだ。

バックはやがてソーントンたちを襲った部族を、たった一匹でやっつけてしまう。そして伝説のオオカミ?として語り継がれていく。

犬やオオカミは、古来人間に近い動物で、付かず離れずの関係だっただけに、日本にも犬神信仰とかあるけれど、物語の主人公として感情移入しやすい動物なのかもしれませんね。