オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび154

小池百合子「女子の本懐」を読む

 

女性として初めての防衛大臣就任。本書の中にオンリーワンという言葉が何度も登場するが、就任という事実が既にオンリーワンであり、自分でなければ、なし得ないはずの何かを模索し続けた過程は、十分に想像できる。

彼女の政界での立ち位置を、渡り鳥に例える人がいる。たしかに日本新党が皮切りに、現在まで党から党へと幾つもの政党を経験している。本書を読むと薄ぼんやりとわかるが、その時その時で彼女が一生懸命考え抜いた結果なのだと思う。数年後数十年後に、どう評価されるか?などあまり眼中にないのだろう。

カイロに留学したことでも、わかるように語学にで堪能でいらっしゃる。そして外国の要人の知り合いが多い。本書にも防衛大臣として、外国を訪問する場面が出てくるが、中東やアメリカとの人脈は、やがて彼女の政治家人生に活かされる時が来るのかもしれない。

個人的には、希望の党の設立経緯や集団安全保障体制への考え方に、馴染めない部分を感じてしまう。けれども、現在都知事として、日々危機管理に立ち向かう姿勢は、多くの都民に信頼と安心感ともたらしていると思う。だからこその都知事選での圧倒的な得票率なのだ。

思えば、本書に書かれた防衛大臣の頃から、既に十数年が経ってしまったし、小池さん自身もまもなく政治家生活30年であります。世の中なかなか変わらないこと、ずいぶん変わったこと、いろいろだけど、防衛大臣の時の総理大臣が長期政権後に退任していて、かたや小池百合子さんは、首都の長としてコロナと奮戦している。私たちは今直面する困難に対して、どのようなリーダーを求めているのか?冷静に考えてみたい。