オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび165

税所篤快「ゆとり世代愛国心」を読む

 

愛国心という言葉に、強い警戒感があったし、今もある。この言葉を使うTPOに怪しげな政治思想を感じる場面が多かったせいもある。また今の教育基本法で「郷土や国を愛する」を目標に掲げているのも、どこかぎこちない気が未だにする。

だからまさかそんな自分が愛国心という題名の図書を借りてくるとは!

ところで本書の著者は、少年よ大志をいだけ!と言われて、世界に飛び出したドン・キホーテのような人であります。「五大陸ドラゴン桜」を看板に掲げ、映像授業の普及で教育格差をなくすことをミッションに、ニーズとか儲けとか度外視で目まぐるしく世界中を駆け巡っている。おまけに訪れる地域が決して豊かではなく、おまけに治安も少々怪しい国が多いのだ。バングラデシュパレスチナガザ地区、ブタベスト、ソマリランドetc

その中で主人公いや著者は、様々な人と出会い、サポートを仰いだり、助言を得たりしている。この彼の活躍を応援する面々が実に素敵だ。

高校の頃、数学で2点を取った答案をプレゼンに使うか?フツー?その場面から彼の不退転の覚悟やエネルギーを感じる。また何度も出てくる失恋話は、惜しげもなく自分の弱さをさらけだすエピソードである。これではちょっとヒーローのようではないですか?

彼にとって、愛国心の元となるのは、前の世代が築き上げた日本人に対する世界からの信頼感です。日本人は縄文の頃ポリネシアや南米まで海を渡っていったという節があるが、儲けとかニーズとか抜きにして、海外で活躍している日本人のスピリットに何か特有なものがあるのかもしれません。

 


「これなら安心」と思える瞬間とは、後を継ぎ未来を任せられる人が育っていることを実感した時だろう。この本には、そう思える瞬間が何度も出てきた。