オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび176

本郷和人世襲の日本史 階級社会はいかに生まれたか」を読む

 

血縁、氏、家、地位、世襲・・・。おそらくは、江戸時代までは、それらのうちの幾つかが、人の運命を左右していた。いや、今も大いに影響下にある人がいらっしゃるだろう。

本書は、平安時代までは確実な続いた「職の体系」、頼朝や北条氏が築き上げたツリー型主従関係、惣村、一揆、講に見られるリゾーム型関係、朝廷内での家の意味・・・などを詳しく述べている。

この本を読んだのは、半年前で次の内閣総理大臣に誰がなるのか?が話題になっていたのだけど、いにしえは、朝廷の家には格があって、大臣家以上でないと大臣にはなれなかったのですね。その下の羽林家は大納言どまり、名家は中納言どまりだとか。だから水戸黄門中納言だから、大臣に用いる光圀公と言う言葉を使うのは間違いらしい。

ちなみに総理大臣について言えば、小泉総理以降、安倍、福田、麻生、鳩山と政治家一家の出身者が名を連ねている。コレはどういうこと?

結果的に世襲というのは、ある文化を維持するために必要なのかもしれない。まず歌舞伎。主に双剣によって維持されている伝統文化に目立つが、なんらしかのDNAが影響があるのだろうか?そもそも家庭環境の違いかも?などの疑問が頭をもたげる。かと言って縁もゆかりもない者が、急に思い立って門を叩いても入れてくれないのは困るけど。

そもそも「世襲よりも能力主義なのだ」と言いながら、未来に必要で育て、受け継ぐべき能力が漠然と問題解決の力というだけでは、何とも具体性に乏しい。

家柄へのこだわりをフラットにして、原則的には階級社会を否定して今の社会があるとすれば、絶えず変化発展していく歩み、継続維持するべき文化に必要とされる役割とか地位は、今後どう順応していけばいいのか?考え続けなければならないと思います。