小林登志子「シュメルー人類最古の文明」を読む4
シュメルの教育は学校で行われ、書記を育成していた。文字の読み書きは、たくさんいる神の名前を習字によって教えていた。その他にも、土地の測量に必要な算数や法律、神話・讃歌、音楽などが教えられていたようだ。法律は、「目には目を」のハンムラビ法典より相手に対して寛容な法典があった。神話・讃歌・叙事詩は、創作が盛んだった(私たちはギルガメシュ叙事詩の名前くらいしか知らないけれど)。膨大な量の粘土板を集めた図書館さえあったのだ。音楽はその後中世ヨーロッパ音楽でも登場するカストラートがいたり、琴を弾いていたようだ。
ところで、子どもたちにとって、神様の名前を書き写す授業が延々と続いて、面白いはずがない。別に義務教育ではないのだ。そこでなぞなぞで興味を引きながら、なぞなぞの答えを考えることで覚えたり、動物が登場する寓話を息抜き的に読んだりしていたようだ。
親の子どもへの期待は、書記というエリートコースにのることだったろう。何だか現代とよく似ている。