オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび217

矢崎泰久編「永六輔の伝言」を読む

 

編者によるあとがきの追記は、永六輔さんの出棺の日に書かれている。次の言葉を添えて。「誰かの記憶の中にある限り、その人は生きている」

三木鶏郎さんのところにコントを持ち込んでいた学生時代から、話が始まる。なぜだか、淡谷のり子さんや住井すゑさんを除いて、ほとんど男性である。黒柳徹子さんをはじめとする女性との交流も多かったろうに。永さんの根っこは女性に対してシャイで照れ屋だったのではないか?という気がする。

大勢の友人が登場するけれど、特に小沢昭一さんの言葉が印象に残った。「日本は軍事大国で失敗して、次に経済大国を目指した。でも、どうも大国というのが、私の性には合わない。狭いながらも楽しい我が家でいいんじゃないんですか。中の下。それがあっているんだと思います。小沢さんは大国意識など持たず、腰を低くして生きようと提案していました。「幸せはささやかなるが極上」というのが小沢さんの生き方でした。

言葉を私流に言い換えさせていただくと、中の下くらいが、一番幸せを感じやすいのかもしれません。