オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび219

石弘之、安田喜憲、湯浅赳男「環境と文明の世界史」を読む2

 

日本人は、古来コメを収穫し魚をタンパク源として食べてきた。いったいいつ頃からなのか?という仮説の一つ。

古代5〜6000年前の長江流域に黄河流域の漢民族とは違うコメの文明があった。やがて漢民族の侵入によって、雲南や日本へと逃げた。豊かなコメ文化に生きる農耕民は、争わないのだ。また商売、税金集め、奴隷管理が必要ないので文字が要らなかったのだ。だから日本の縄文時代に人々が争った形跡はないし家畜の文化もない。

やがて牧畜民の系統と思われる弥生人が大陸から家畜を連れてきた。集落同士の利権争い、勢力拡張が始まり、結果としては一つの統一国家が生まれる。

 

文明のアイテムとして欠かせないのが、金属による道具。一番最初に発見されたのは砂金と思われますが、採れる量は少なく、青銅器の時代を経て、鉄の時代になる。

本書は一貫して、森林伐採の歴史を追い続けているが、鉄の製錬については、熱源としての炭が必要で、炭を作るために木を切る斧=鉄器が必要。結果農地は拡大したものの、森林面積は減少して、挙げ句の果てに荒地になってしまう。荒地になった土地は当然放棄され、人々は新たな土地で同じことを繰り返すのだ。(つづく)