オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび221

石弘之、安田喜憲、湯浅赳男「環境と文明の世界史」を読む4

 

ヨーロッパ・イスラムを牧畜民による動物文明とすると、インカ、長江、縄文=足るを知るやさしさの植物文明で欲望をコントロールできると、本書では持ち上げている。しかし、グローバル化が進み、世界中で人々がハンバーガーを頬張っている現在、ハンバーガーの牛肉を作るために、どこでどれだけの飼料が必要で、その為に地球の農地、牧草地、森林にどのような変化が起きているのか?かなり想像を逞しくしないとわからないだろう。植物文明を持ち上げてみても、もう戻れないところまで来てしまった気さえする。

人々が肉食を好むということは、家畜が人間のそばにいるということで、家畜の持っている感染症パンデミックを引き起こす。コロナ禍だってそうだ。

肉食と間合いを空けているのが、インド人。あんなに人口が多く、しかも増え続けているのに、食料問題が顕在化しないのは何故か?インドに学ぶことがありそうな気がする。

コロナ禍なので、疫病の話。人々が定住するということは、水を共同化するということで、管理が不十分であれば、寄生虫が発生する。多神教ローマ帝国キリスト教を受け入れた背景にも、疫病に苦しむ人々を労る教えが、共感を呼んだのでは? と本書では語られている。