オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび232

本田宗一郎「やりたいことをやれ」を読む

 

社員に垂れた訓示を集めたような本である。自分が社員だったら、頑固一徹のオヤジ社長の話をどんな気持ちで聞いただろう? と想像しながら読んでみた。

渋茶一杯で鈴鹿市に工場。どこにバイク工場を作ろうか?考えていた時の話。大宴会で接待した都市ではなく、渋茶一杯だけだった鈴鹿市に決めたという。饗応に応じない姿勢は、見習うべき点ありである。

本田宗一郎少年はかなりのいたずら小僧であったことが、巷間よく言われ書かれている。けれど悪い子を、仮性的な悪い子を真性的な悪い子にしないために差別をしないことが大切だという。別のところでは、人種、家柄、学歴で人を判断することを、徹底してやらなかったという。この二つは共通点がある。差別を心から排除しようとしていたのだ。だからこそホンダを発展させる人材が育ったのだろうか?

本田宗一郎の言葉の裏にちらほらと見え隠れする巨大な支えがある。他ならぬ藤沢武夫その人である。彼がいなくては、ホンダの発展はなかった。

こういう影法師のような人を本当にすごいと思う。そして、お互いに尊敬し信頼し合っていたことは疑いがない。二人三脚で創り上げた会社だったのだ。

思えば、ボクの亡くなった親父も現役で頑張っている弟も技術屋さんだ。ものづくりに賭ける思いは、きっとどこかで共通しているのだろう。そしてその思いを確実に次の世代へと受け継いでいってほしいと思う。