オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび243

森毅「ぼくはいくじなしと、ここに宣言する」を読む

 

若者に歳をとることへの希望を与えることが、老人の何よりの責務・・冒頭にこのような言葉に出会うと嬉しい。定年延長とか一億総活躍とか言われても、若者のようなパフォーマンスができた時期は過ぎてしまった。そこに一抹の寂しさを感じてしまう人は少なくないと思います。そう若者がその気になること、それを応援すること、それでいいのでしょう。あと数十年後には草葉の陰から応援するのだから。

協調性と社交性の違いについて、語っているところがある。共同体の文化にとけこむのが、協調性で仲間意識を育てていじめをなくそうとする指導など、これに当たるという。社交性とは、異文化と付き合うことで、例えば学校なら自分の仲間と違う相手と付き合うことだと言う。学校現場が勘違いしている部分が、小気味よく指摘されている。

「元気を出せ」と言わない。元気が出ない自分を雨の日に家にこもっている自分にたとえて、カンカン照りの太陽の中に無理矢理連れ出さないと話している。

迷惑はかけ合うもの。人に迷惑をかけないようにしましょう! はお決まりのセリフだが、本当は、もし迷惑をかけてしまっても崩れないような繋がり方を保っていることが大事なのでしょう。

結局、終始一貫しているのは、自由と多様性の担保を大切にするということで、あとは自ら率先して強気の真っ向勝負に出ることなんてしないということか。そんなスタンスを真似できる場面は、きっとあるんじゃないかなぁ。それが森さんから学んだこと。