本書のわかりやすさは、豊富な図解と共に地域別にケルト文化の特徴を紹介しているところです。例えば、シーザーのガリア戦記に登場する大陸のケルト文化とグレートブリテン島およびアイルランドに見られるケルト文化をそれぞれ章を分けて解説している。
とりわけ興味を引くのは、ケルトの文様についてで、この辺りが日本の縄文の特徴との類推で語られる所以なのでしょう。宗教も大陸からやってきたキリスト教をどのように受け入れ融合していったのかが語られる。後からやって来た別の文化に主役の座を明け渡しているところも、縄文と弥生文化の関係に似ている。
ここから突然話は、漠とした妄想に飛躍するのですが、SDG sとか対抗軸としての脱成長が取り沙汰されている中で、私たちの近代文明もそろそろ主役の座を明け渡すべき時期が来ているのではなかろうか? ただ、その相手が誰で新たな文化とは何かが、はっきりとわかっていないけれど。