オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび272

菅義偉「政治家の覚悟」を読む

 

頑固者、正義感の人、「なあなあの馴れ合い」で誤魔化すのが大嫌いな人という輪郭が浮き上がって来る。

菅さんは2世議員ではなく、横浜市会議員から国会に出て総理になった人だけど、この本では、国会議員として政務官総務大臣を務めていた時代に、どんな課題と取り組んでいたかが、よくわかる。一度言い始めたら決して引かずにやり遂げる姿勢から、頑固さと正義感の強さを感じてしまう。

おそらく溜まったもんじゃなかったのは、近くにいた官僚でしょう。吉田茂総理や池田勇人総理の頃のように官僚を育てる大臣ではなく、官僚を使い尽くす時代に変わっていることがよくわかる。私も教員という地方公務員の端くれでありますが、行政とのやりとりが必要な場面では、その理不尽さにいつも憤っていたので、菅さんの官僚に対する態度は、快哉と感じてしまいます。前例主義、自分たちの既得権を脅かすものを徹底的に退ける姿勢が、どれだけ蔓延していることか!

コロナ対策に追われながら、菅前総理が打ち出した政策の中で、いかにも菅さんらしい・・と感じるのはデジタル庁とこども庁の新設です。縦割り行政の弊害を打破して、いかにして国民が必要としている行政サービスに対応するか? が、この政策にも現れています。強面で人に媚を売るタイプの政治家ではありませんが、どちらを向いて政策を考えているか? については、誠実さを感じていました。