オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび275

内田樹「修業論」を読む2

 

我執を捨て去る! に話題が移る。意思、計画、予断をもたなければ、木偶の如く愚者の如く木鶏の如く我執を捨て去る私になることができると著者は説く。木鶏と言えば、大横綱双葉山が69連勝後に敗れた時「未だ木鶏に及ばず」と語ったエピソードが出てくるが、まぁ大変な境地です。

話は勝ち負けや強さ弱さの規準への懐疑に及び、話題はジャンピングし続けていく。だからある地点まで戻って復習のようなことを再度書き付けているのが内田樹の文の特徴だ。

その中で「無知」を学びへの根源的な衝動を妨げるものと定義づけている。著者は長い間大学の先生だったはずだが、この言葉は重い。恐らくは著者の周辺にサンプルが存在していたのだろう。世の中に思考停止に陥っている先生方がなんと多いことやら! 子どもの前でどうにか先生稼業を続けている自分への自戒も込めて。