オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび287

池上彰佐藤優「希望の資本論」を読む

 


どうしても政治運動としての社会主義共産主義が話題に上るのだけど、共産という言葉が、元々日本で作られた言葉であるとは驚いた! 中国共産党の党名は日本から輸出したものだったのですね。話は戦前日本の講座派による日本特殊論と労農派による世界システム論的な視点の対立が、その後どのように影を落としているのか? が語られる。戦後の思想史を彩る主だった学者の立ち位置が分類されていて面白い。ちなみに池上彰氏には労農派の匂いがすると佐藤氏は語っている。

その後、いわゆる過激派も含めて、どのように分裂分派したか? が語られるが、学生時代の記憶も脳裏をよぎったので別に語ろうと思う。

要するに、資本論ほど、真っ向から資本主義を分析し、その欠陥を指摘した本もないわけで、政治思想や国家観を一旦傍においても、資本主義とは何なのか? を理解するためにかじっておくべきと語られるわけです。そして相対的に自分の立ち位置がわかるとおっしゃる。なるほど。

最後にピケティ氏の再分配論は、マルクス資本論の聖地な読み込みに基づく主張ではないことが、巻末のインタビューでわかる。マルクスは生産とその利潤の分配について、それぞれ分けて論じていたのだ。