オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび311

三浦裕子「能や狂言の音楽入門」を読む1

 


能。私ごときが言わずとも、劇も舞と音楽が融合した総合芸術であることは誰もが知っている。本書はその音楽部分にスポットライトを当てている。

まず声楽部分の謡。演者が謡う部分と横に座っている地謡が謡う場合がある。音の構造やノリについて詳説されていて、私が習っている琵琶うたとの共通点もあり、勉強になりました。ノリとは元々は謡出身の言葉なのですね。初めに楽譜ありきの西洋音楽と違うのは、まず語る内容、つまり物語優先なのです。演劇に付随する音楽だから当たり前だとも思われますが、音楽劇と言えばオペラやミュージカルがイメージされる時代なのだから、今私たちが感覚として忘れようとしている部分を思い出させてくれます。