豊田有恒「日本アニメ誕生」を読む3
イスカンダル=アレクサンダー大王？ イスカンダルと言えば、ご存知宇宙戦艦ヤマトの目的地だが、インドのガンダーラにでは、昔ヨーロッパから遠征してきたアレクサンダー大王の名前がイスカンダルと呼ばれて残されているらしい。そう宇宙戦艦ヤマトの物語は三蔵法師が旅した西遊記が下敷きになっていたのだ！
放射能汚染で、にっちもさっちも行かなくなった地球から、放射能除去装置を受け取りに行くという設定だが、日本ではリアルに原発事故が起きてしまったので設定の前提が実現してしまった。
戦艦大和が海底で密かに宇宙戦艦ヤマトとして再生するわけです。話は横道に逸れますが、私が習っている琵琶にも池上作三の「戦艦大和」という曲があります。大和の出撃から撃沈までを語る曲なのですが、これが実に哀しい。この曲をおはこにしていた師匠によれば、お客さんが涙を流してしまう。あまりに切ない曲なので演奏されないという。現在、私たちが享受している平和は尊い犠牲の上に成り立った状況だということを忘れてはいけないと思う。大和が史上最大の戦艦だとか46cm口径の大砲を積んでいたこととかではなくて、なぜ、ここまでして戦い、多くの命が失われたか？ 事実と原因を語り継ぐ作業を止めてはいけないと思う。
