立川談志「現代落語論」を読む2
「教わったとおりに演じるという段階を経てから、はじめて自分のできない技術をカバーし、自分の得意な技術を加え、特徴を生かし、ギャグを入れ、場合によっては人物の性格を変え、落げまで変えてみるくらいの演出力が必要で、それをその人なりに完成したとき、同じ噺でも先代の残した作品と比べることができる。」
談志師匠がいうこの考え方は、落語という芸能に限らず、教わることと自分で工夫することの違いを鮮やかに述べている。
最終章では、テレビで演じる落語について自論を語っている。コロナ禍で何でもオンラインで代替できるなら「それで何とか済ませたい。」と考えがちな昨今の風潮に参考になる。結局は工夫してみたも、談志のおっしゃるようにアイディアだけでは手に負えない大きな課題があるということなのだろうか・・・。