オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび352

名作を読む80

ハーディ作「ウェスト=ポーリー探検記」を読む。

 


水は私たちの生命線なので、昔から川の流れを巡って、ずいぶんいろいろな争議があったらしい。ことば検定の林先生によれば、Riverはライバルの語源らしい。

話は少年たちが洞窟探検に出かけたところから始まる。洞窟の奥には大きな水晶があって、そこへ辿り着きたい一心で水の流れを変えてしまう。しかし、それは村を流れる川の水源だったのだ。少年たちの探検のおかげで、突然水車が回らなくなり粉屋は大弱り。さらには隣りの村に流れ出す穴や袋小路になっている穴も見つけ出す。

最後はスティーブが決死の覚悟でダイナマイトを投げ入れたので、元通りになるというお話。

ボクらが子どもの頃は今より「危ないところ」入りやすかったと思う。だから、洞窟に限らずちょっとした探検は、かなり多くの子どもが体験しているのではないだろうか? かくいうボクも悪友と一緒に江ノ島の断崖を一周したことがある。潮が満ちてくると渡れないところが何箇所もあり、小学校5年だったけどスリリングだったなぁ。まぁ、怪我もせず家に帰ったのだから、よかったものの、大人になった今はやっぱり勧められた話ではない。

 

ティーブ救出の場面で、話の最初の方に登場した「失敗した男」が現れ、もっともらしいことを教え諭す。「はっきりわかっている道を辛抱しながら生きていくことの大切さ」を。そして失敗した男の話だからこそ傾聴に値するのだとおばが言う。今の社会にも失敗した経験をもとに、子どもに生きる道を説く人が必要な気がします。