オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび354

名作を読む82

デフォー作「ロビンソン=クルーソー」を読む1

 


古今の名作の中でも、かなり特異なストーリーであります。無人島に辿り着いてからのロビンソンは一人きりで、あとは犬が一匹。物語というのは登場人物がドヤドヤ出てきてナンボの世界なのに、いないわけです。

一人きりで、しかも無人島で生きていく。そのことがいかに困難なことであるか? 容易に想像がつく。時代は作者デフォーの生きていた18世紀よりさらに進み、21世紀前半に生きる私たちは、孤独の中で生き抜いていく技能や精神力をさらに失っているだろう。

だから、学校では体験宿泊学習と称して、子どもたちに、自分たちで薪を割り、飯盒でご飯を炊く体験をしている。けれど薪を割るナタは施設から借りるのだし、チャッカマンがなければ火はつけられない。漂流民のロビンソンの比ではない。