名作を読む83
エドガー・アラン・ポー作「こがね虫」を読む
名探偵コナンくんの苗字は、江戸川。もちろん江戸川乱歩、もっと辿れば本編の作者エドガーからいただいている。
推理小説のおもしろさは、謎解きをたどることでしょう。海賊キッドの秘宝のありかを突き止めたレグランドの推理が、話の最後に種明かし的に語られる。ヒントはキッドが羊皮紙に記した暗号だ。
作者の立場に立って、謎の設定順を読者側から推理してみよう。大きなゆりの木、埋めた場所への距離角度などの数値は暗号に書き込むことにして、あとは暗号の解き方、これらは逆算していけば解けることにしたのはいいが、解き方を読者が見抜いてしまっては元も子もないので、出来るだけ変わり者の主人公とその奇行に付き合わされる友人と召使いという物語にしよう。
推理小説のもう一つのおもしろさは、何だかわけがわからない状況が徐々に変化していく過程だが、お宝が見つかる瞬間まで訳が分からない筋書きは成功していると思う。
ボクは根がひねくれているので、この作者の手のひらの上で読者が踊らされている感じが、苦手なんだと思う。