オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび385

フェリチタス・ムーへ「シュタイナー学校の音楽の授業」を読む2

 


音・音楽との出会いをどのようにセッティングするか。著者はとても計画的にかつ慎重に用意する。音階、言葉、リズム、音と身体の動きをリンクさせる学習、イメージを豊かにするファンタジーを教師が語ること。1年生での著者が弾く躍動的な音の動きに合わせて自由に身体を動かす学習やボール投げを通してリズムを感じる学習などとても興味深い。

思えば、日本だって子どもの歌として「わらべ歌」しかなかった時代は、自然とそれらができていたのだ。ところが近代教育の枠の中で、それらは残念なくらい不自然なカリキュラムの中で見失われてしまった。

初等教育の教科を食べ物に例えてみると、国語はお米、算数は世界共通のパン、社会は肉、理科は魚、体育はビタミン豊富な野菜。図工はフルーツ、音楽はスイーツつまりお菓子だと思う。あまり食べすぎないように時間が限られているのだ。お菓子が嫌いな子は少ないと思うが、甘いクリーム系が長音階なら、醤油煎餅は短音階だろうか? いずれにしても出すタイミングや出し方が大事。

本書では、2年生で拍や音符の長さ、3年生で音階を学ぶまでが紹介されているが、それぞれの音との出会いに子どもたちの心が動く場面が記されており、とても参考になりました。