オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび390

藤木幸夫「みなとのせがれ」を読む2

 


港の仕事が大きく変化する時がやって来た。コンテナ輸送のスタートであります。今までは重い貨物を人手をかけて運んでいたものが、巨大なクレーンがとって変わるのだから、労働者・会社経営者にとっては大事件だった。結果、港がどう変わったのかは、一目瞭然。渦中にあって板挟み状態にあった苦労が語られている。

どうしても自叙伝では、結果として実績が語られる。中国大連港の改革やFM横浜発足に著者が大きく関わっていた。さらにはロッテルダムのモデル学んだ港湾学校設立の話が続く。様々なエピソードを語りながら、読者は著者と周辺の人々の間合いがとても近いことに気づくだろう。年上はオヤジ、歳が近ければ兄弟なのだ。中にはヤクザの親分もいるけれど。懐中に飛び込み胸襟を開いて話し合えば通じ合えることを証明して来た人なのだ。

最後に著者の好きな言葉を書きつけておきたい。(正しく)知ることは愛すること。