オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび400

鬼頭昭雄「異常気象と地球温暖化」を読む

 


前半は理科の教科書的に、地球の気候について説明される。ミランコビッチサイクルが紹介され、地球の公転軌道の離心率や自転軸が長いスパンで変動していると説明されると実に宇宙規模の大きな話だと実感できる。現在、私たちは氷河期の小休止の時代に生きていて、地球は過去も温暖と寒冷を繰り返して来たのだけれど、今の温暖化は確実に人為による二酸化炭素排出が影響していると言う。

現在その渦中を生きているわけで頷かされる話が多い。しかも地球規模でシミュレーションされているので、ど素人のボクはそのスケールの大きさに驚き平伏してしまう。けれどそのスケールの大きさにたじろぐことなく大自然に対して、鉄粉を海洋に注入し植物プランクトンを増やして海洋の二酸化炭素吸収を増やす海洋肥沃化。大気中成層圏エアロゾルを撒き散らし、地上に届く太陽エネルギーを減らすアイディアがあるらしい。後者は大規模な火山爆発に起きる地球の冷却化をモデルにしているようだ。人類がしでかして来た失敗を言い訳しながら何とか取り繕う姿のようだ。何と言ってもその結果地球環境がどうなってしまうのか、よくわからないところが恐ろしい。

本書の最後に気温が2度どころか3度4度上昇してしまうことを覚悟して、未来に備えることの必要性を語っている。諦観のようにも見えるが、楽観よりも遥かに現実的な気もします。