オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび406

塚田健一「アフリカ音楽の正体」を読む1

 


アフリカ音楽のリズムは、一定の拍子・拍節感に慣れた感覚で聴くと複雑に聴こえる。いったいシンコペーションなのかポリリズムなのか、はたまた背景にある定量リズムの前でリズムが変化する二重構造なのか? そもそも拍をダウンではなくアップでとらえている様子など、音楽を研究する人々を翻弄してきた経緯が語られる。著者は拍子については、8分の6拍子で採譜できる曲が多いという。

もう少し読み進めると著者は不思議な現象を語る。二人の奏者がリズムを合わせている時にま、そのどちらも弾いていないリズムが耳の錯覚で聴こえるのだという。それをリズム・ゲシュタルトと呼び、人間の耳が心理学的にそのように聴いてしまうのだという。

1000もの民族があるアフリカ大陸で音楽を研究することは目も眩むような作業に思える。けれど著者によれば5つの標準リズムが広い地域で共有されており、それはバントゥー族の移動地域と関連づけられるという。さらにアメリカ大陸方面に連れて行かれた人々が、そこで新たな音楽を生み出すのだが、クラベスが叩く「ターンターンタン ウンタンタンウン」のルンバのリズムとアフリカの標準リズムが近似しているという。クラベスのリズムは、もれなく小学校3年生で学習しているので、日本の小学生たちも遠くアフリカのリズムを体験していることになるようです。