オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび407

塚田健一「アフリカ音楽の正体」を読む2

 


ハーモニーと言えば、ヨーロッパ音楽の最大のウリなので、アフリカに古くからハーモニーを楽しむ文化が息づいていることに驚かされる。そしてハーモニーに親しんでいた人々がアメリカに連れて行かれて黒人霊歌を歌い、現在のゴスペルに結びついていることも何となくわかってくる。

実際の音の重ね方は、平行四度・五度グループと平行三度グループに大別される。四度の音がオクターブ下に入れば五度に変わる。例えば女声同士で四度でハモっていた片方を男声が歌えば五度になる。三和音は三度を重ねたものととらえればいい。本書ではそれを三和音連鎖と呼んでいる。機能和声の属音・下属音の関係はないから三和音は平行移動する。本書には楽譜で示されているだけだが心地よい響きが想像できる。

実際の和音の作り方は、それぞれの民族が持つ音階を一つ飛ばしで重ねていくことでできている。例えば、アカン族のレドシラソファミレという音階で、第一声部がレであれば一つ飛ばしでシでハモると言った具合。私たちが小学校でドミソ、ドファラ、シレソなどと教え教わる和音の学習に比べて何とシンプルでわかりやすいのだろう!