オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび428

野口聡一「オンリーワン」を読む1

 


いわゆる偏差値で入れそうな学校を選んで、受験して入学する。中学高校までなら致し方ない部分もあるかもしれないが、そこから先はそこでなにを学べるか? が、はっきりしていた方がいいと思う。宇宙飛行士になりたい野口さんが一浪の末に東大に入ったのは、正解だったと思う。当時宇宙について研究が進んでいたのは、やはり東大だったのだから。

話は飛ぶけれど、野口さんが宇宙飛行士になった当時はスペースシャトルの時代で、輝かしい成果とともに、痛ましいチャレンジャーやコロンビア号の事故のことを思い出してしまう。野口さんにとっては、フライト予定が確定していたタイミングでのコロンビア号の事故は大きな衝撃だったと思う。事故処理と解決の過程で精神的に追い込まれていったことは容易に想像できます。「けれどあきらめずに食らいつきあとは運を信じる」の気持ちで野口さんは乗り切っていきました。死ぬ可能性を認識することと死の恐怖を感じることは別と野口さんは言います。多くの宇宙飛行士も同じなのでしょうが、野口さんも遺書を書いて出発しています。だれかがやらなくてはいけないことを覚悟を決めて実行する。リスクを選択する、想定内の事態に対して、今できる準備をしておく大切さを説いています。置かれている立場に関係なく重い言葉ですね。

ところで宇宙飛行士のミッションの中で、臆病なボクにはとても真似ができない作業に船外活動があります。宇宙船から宇宙空間に出て作業する! 怖い! としか言いようがありません。けれど野口さんはその船外活動のスペシャリストで、曰く宇宙の大工で鳶職人なのだそうです。何だか日本的な感じ方が嬉しくなります。