オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび429

野口聡一「オンリーワン」を読む2

 


いよいよ宇宙へ。空から真っ直ぐに引っ張られる感触、砂利道を普通車でスピードを出して走っていくような横揺れ、7分過ぎになると加速度で3Gの負荷がかかる時間が1分間。8分28秒エンジンが止まり、無重力になる。この瞬間は急ブレーキをかけて前につんのめる感覚に近いと書かれています。これを経験しないと宇宙に行けないらしい。う〜ん、やっぱりオジさんはやめておこうかなぁって感じ。

昔「空から日本を見てみよう」という番組があったけれど、宇宙から日本を見て目立つのは、海上に突き出している空港だそうです。変化に富んだ曲線状の海岸線が続く中で、そこだけ人工的な直線が見えるので、すぐわかると言います。

スペースシャトル国際宇宙ステーションとドッキング。そして人が生活している空間に入っていく。匂いは乾物屋さんのような感じで、学校のポンプ室のような音が聞こえるとのこと。そして、ついに船外活動の時が!

船外に出た野口さんが感じたものは、猛烈な光の量でした。それが地球です。青い地球の青には、いろいろな青が見えるようです。北の黒い深い海と赤道近くの光を反射してきらめく海、珊瑚礁のそばの海、それぞれ違う青。野口さん的には、世阿弥の言う「離見の見=自分の姿を離れたところから客観的に見るような視点」が宇宙から地球を見る自分に当てはまるとおっしゃいます。無重力では上下の感覚がない。自分の身体がどっちを向いているのか、わからなくなる。宇宙ステーションの位置を手がかりにして、混乱を防いだそうです。こういう事態への適応能力の高さは、さすが宇宙飛行士ですね。