オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび440

工藤美代子「サザエさん長谷川町子」を読む1

 


サザエさんの連載当時、頑固な親父のこだわりで我が家は一貫して朝日新聞をとっていた。おふくろはスクラップが好きで、サザエさんはスクラップブックで何度も読み返すことができた。漫画では番外編的に作者が登場して、海外旅行のエピソードなどを紹介していた。

山脇女学校を卒業して「のらくろ」の連載で超有名な田河水泡に弟子入り、才能を見出されその後は順風満帆・・に見えるが、家庭内の事情など、そううまく運んだわけではないのは、ドラマ「マー姉ちゃん」でも描かれていた通り。

ちなみに師匠田河水泡の本名は高見澤。「たがわすいほう」と誰もが読んでいるが、元々は「たかみずあわ」と読み、自分の本名の語呂を洒落たつもりだったらしい。妻潤子の兄は評論家小林秀雄で、二人は何と義兄弟なのでした。

ところでサザエさんをはじめ磯野家の人々は、なぜ海にちなんだ名前なのか? それは戦時中疎開していた福岡の家の裏が海で、砂浜で考えたからだと言う。志賀直哉の「赤西蠣太」を愛読していて、作中の腰元サザエさんから拝借したとの説もある。サザエさんのアイディアは福岡で生まれ、夕刊フクニチに連載されたのでした。